研究分野:コンピュータビジョン

コンピュータビジョン

最近ではロボットが進歩しているのになぜ、家で掃除をしたり皿を洗ったりしてくれるロボットがないのでしょうか。それはロボットに十分な視覚がないからです。右の図は白黒画像を各点の明るさのグラフとしたものです。何だか判りますか?

人間にとって視覚は最も自然な知覚であり、画像に映っている情景を理解することにあまりに慣れてしまっていますから、これを機械で実現するのがいかに難しいかということが、なかなか想像しにくいものです。

画像は普通、長方形上の各点に色が指定されているものですが、これを色として表示せず、データとして見せると、視覚という、画像を画像として見る能力を使わずに理解しなければならないので、人間にとっても認識は難しくなります。

人間のような視覚を機械に持たせることがコンピュータービジョンの目標ですが、それにはまだブレイクスルーが必要です。我々研究者はそれを目指して、「難しいが、楽しい」研究をしています。それに加わってブレイクスルーを起こしてやろうという、難しいことを考えるのが好きなあなたをお待ちしています。具体的には、様々なパターンを画像中に見つけるために、パターンとは何かという根本的な問題から、確率モデルを考え、グラフを使った最適化等の手法を使います。理論・数学寄りのことが好きな方にもおもしろい研究が可能です。

応用

その一方、人間並とはいかなくても、画像を解析・認識することの応用は盛んに研究され、実際に活用されています。例えば:

  • 重要な応用として医用画像処理があります。最近、CT,  MRI等の解像度が上がり、得られるデータ量が増えており、それを適切に解析し診断等に十分活用することが、人手だけではだんだん難しくなっています。そこで人間を支援するためにビジョン技術が必要です。
  • 一般の画像を認識するという点では機械は人間に遠く及びませんが、細かいことを解析するのは得意です。例えば非常にごちゃごちゃした画像の中から特定の形を探すとか、その数を数えるとか、画像から正確な空間的関係を読み取るとかです。(はやぶさ2に向けた宇宙関係の研究の話もあります。)
  • 写真中に顔を見つけて明るくするとか、肌をきれいに見せる等の、デジカメに内蔵される機能の多くがビジョン技術です。  また、今やコンピューターといってもいい薄型テレビなどのデジタル家電にも、例えば超解像などのビジョン技術が生かされています。
  • 最近発売されたマイクロソフトの kinect というゲームコントローラーは、カメラでプレイヤーを写して、それを解析してゲームをコントロールする、ビジョンの応用です。

研究室紹介

2011年度に新設された研究室です。教授1人、助手1人、学生8人からスタートした小規模な研究室ですが、その分快適な研究空間を享受することができ、自由に研究することができます。

ゼミ

月曜5限

行事

夏合宿(9月)、飲み会(随時)、その他各自提案可